『ジョン万次郎の英会話 』

乾隆著『ジョン万次郎の英会話 』(Jリサーチ出版、2010年2月2日発行)。書店で立ち読み、というか熟読してしまった。本書には「英米対話捷径 復刻版・現代版」と副題が付されている通り、ジョン万次郎こと中浜万次郎の手になる英会話教本『英米対話捷径』(1859年)の写真版とそれを現代風に見やすく翻刻した部分からなる。さらに巻頭には万次郎の生…
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『西洋古典こぼればなし』

 柳沼重剛著『西洋古典こぼればなし』(岩波書店、同時代ライブラリー、1995年10月16日発行)。10年以上前に購入して、ざっと目を通しただけで放っておいたのだが、最近また読み返してみた。著者の柳沼氏は西洋古典語の専家で、京大文学部で田中美知太郎や松平千秋に師事し、東大大学院で高津春繁の教えを受けた人であるが、昨年なくなっている。タイト…
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『譯學書文獻目録』

遠藤光暁等編『譯學書文獻目録』(ソウル:Bagmunsa、2009年9月10日発行)。朝鮮司訳院の訳学書に関する研究文献目録。遠藤氏を中心とするグループは近年、対音対訳資料および研究文献に関する目録を精力的に作成している。2007年には「華夷訳語関係文献目録」(大東文化大学『語学教育フォーラム』13:福盛貴弘・遠藤光暁編『華夷訳語論文集…
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慶谷壽信著『有坂秀世研究-人と学問-』

慶谷壽信著『有坂秀世研究-人と学問-』(古代文字資料館、2009年9月5日発行)。『音韻論』、『国語音韻史の研究』、『上代音韻攷』、『語勢沿革研究』で、言語学・国語学・中国語学に多大な貢献をした有坂秀世についての研究をまとめたもの。著者の慶谷氏は、中国語音韻史が専門であるが、有坂の学問に傾倒し、1980年代に有坂の生涯と学問について精力…
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京都国立博物館

今日、「シルクロード 文字を辿って」という展示を見に京都に行って来た。写本や版本など100点以上の文字資料は壮観だった。いずれも中央アジアの各地からロシア探検隊が収集した資料で、漢文資料のほか、ブラーフミー文字、カローシュティー文字、ウイグル文字、西夏文字、チベット文字などの資料が展示された。個人的には、カローシュティー文字の写本を初め…
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脳トレ?

近所を散歩していると、意味不明の看板や考え込んでしまう店名に出会うことがある。最近、普段通らない道を進んでいたら、不思議な喫茶店の名前を見つけた。まずカタカナで「ルパン」とある。ははあ、これはかの怪盗アルセーヌ・ルパン(Arsène Lupin)から取ったか、あるいはルパン3世かと思っていたら、ローマ字表記が「Lepan」とあ…
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『汲古』第55号

古典研究会篇『汲古』第55号(汲古書院、2009年6月)が届いた。冒頭を飾る小林芳規氏の論文「日本の経典訓読の一源流-助詞イを手掛りに-」には久々に興奮した。奈良時代(八世紀)に行われた一切経の訓読法が、新羅のテキストから強い影響を受けたことを示したものである。語順を示す符号や、主格を明示する助詞の「イ」などにその影響が見られるとし、説…
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南朝四百八十寺

「江南春」などのタイトルでよく知られている杜牧(803-852)の詩の第三句が「南朝四百八十寺」である。日本では伝統的に「ナンチョウ シヒャク ハッシンジ」と読まれている。最近、松枝茂夫編『中国名詩選』(岩波文庫)でこの詩の解説を読んでいて、ギョッとした。<四百八十寺>の五字が「みな仄声(去・入・入・入・去)で、sied-pak-pu&…
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NHKまいにちロシア語

毎年4月は外国語学習に意欲のわく月である。とりあえず今日はNHKラジオの「まいにちロシア語」と「まいにちイタリア語」を聞いてみた。双方に共通する特徴は、日本人女性講師とネイティヴ男性ゲストという組み合わせであることだが、ともに男性ゲストの発音があまり心地よくない点も似ている。とりわけロシア語の方は発音が不明瞭で表情に乏しい。一方、女性講…
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『英語対訳で読む日本の歴史』

中西康裕監修、Gregory Patton英文監訳『英語対訳で読む日本の歴史』(実業之日本社、2008年9月3日初版第1刷、2009年1月25日第4刷発行)。この本は「著者」というもののない珍しい本である。そういう意味では怪しげな本と言ってもよい。「はじめに」には「執筆」として「中堂良紀」という人の名があるが、奥付にも略歴にもその名はな…
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『ハラホト出土モンゴル文書の研究』

 吉田順一&チメドドルジ編『ハラホト出土モンゴル文書の研究』(雄山閣、2008年11月10日第2版発行、410頁)。書名のとおり、ハラホトから出土した文書の研究である。ウイグル文字モンゴル語が最も多いが、パスパ文字やチベット文字、シリア文字の文書なども含まれる。パスパ文字では、珍しい字母筆写練習の断片などもある。資料の影印と翻字、訳、解…
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『語学漫歩選』

『語学漫歩選』(古代文字資料館編・発行、2008年10月31日)。旧・東京都立大学の中国文学専攻における語学分野の同人誌だった『語学漫歩』の部分復刊。都立大が消滅した今、当時のメンバー数名が所属している古代文字資料館から復刊されたもの。1987年~2003年までの研究ノートやエッセー、資料などからの選集で、全220頁。非売品だが、郵送料…
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『英語教師 夏目漱石』

川島幸希著『英語教師 夏目漱石』(新潮選書、2000年4月25日発行)。8年前に購入した本だが、通勤電車の中で読み返してみた。漱石と英語の関わりを知るには絶好の書であることを再確認。興味深いのは、漱石が英語教師の道を歩み始めた明治20年代において、すでに漱石や新渡戸稲造らが英語を学んだ頃に比べて、生徒の英語の実力が格段に低下していたこと…
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バルカン言語群と漢児言語

最近友人から中島由美著『バルカンをフィールドワークする』(大修館、1997年6月20日発行)という本を借りて読んだ。この本の存在は以前から知っていたし、中島氏に関する人となりも人を介して聞き及んでいたが、これほど面白い文章を書く人とは思わなかった。本書自体がすでに10年以上前のものであり、また語られる内容が主に1980年前後のことである…
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『世界の言語入門』

黒田龍之助『世界の言語入門』 (講談社現代新書、2008年9月19日発行)。世界の90の言語をめぐる黒田氏の最新エッセー。項目によって面白さはまちまちだが、黒田ファンなら手に取ってみてもいいかも。各言語につき、見開き2頁で小ネタを披露してゆく。立ち読みしたり、電車の中で読むにはいい。このところ肩の凝らないエッセーを立て続けに出しているが…
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結城浩著『数学ガール--フェルマーの最終定理』

結城浩著『数学ガール--フェルマーの最終定理』(ソフトバンククリエイティブ、2008年7月30日発行)。本屋で夢中になって立ち読みしてしまった。昨年出た『数学ガール』の続編らしいが、前著は読んでいない。高校生を主人公とした小説風の構成でありながら、数学を真面目に勉強してしまうという、おみそれしましたと言いたくなる書である。高校2年生の<…
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『内陸アジア言語の研究』XXⅢ

年に一度届けられる天恵のごとき論文集。毎回レベルの高い、そして楽しめる内容の論文が収められるが、今号も期待を裏切らない。個人的には中村淳氏の「2通のモンケ聖旨から--カラコルムにおける宗教の様態--」(pp.55-92)に最も興味を覚えた。モンケ皇帝による二種の聖旨を比較検討したものだ。第一の聖旨は、アッシリア協会(=ネストリウス派)の…
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『世界音声記号辞典』

ジェフリー・K・プラム&ウイリアム・A・ラデュサー著『世界音声記号辞典』(土田滋・福井玲・中川裕訳、三省堂、2003年5月12日発行)。読んで楽しい音声記号の辞典である。20世紀末にIPAの大幅改訂がなされてから、古い書物と新しい書物で表記法が異なったり、各国、各分野によって様々な習慣があったりして、とまどうことが多かった。知人から本書…
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『【対論】言語学が輝いていた時代』

田中克彦・鈴木孝夫『【対論】言語学が輝いていた時代』(岩波書店、2008年1月29日発行)。個性の異なる二人の言語学者の対談。それぞれの言語学的経歴に触れつつ、半世紀来の言語学を論じたもの。著名な言語学者たちについての回想を述べる部分はなかなか面白い。井筒俊彦、亀井孝、服部四郎、村山七郎などについて、敬意とも揶揄ともつかない思い出話が続…
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篆書体モンゴル文字

今月の古代文字資料館のHPに、篆書体モンゴル文字の印章が掲げられている。画像を見ているだけでドキドキするような代物である。噂によれば、モンゴル文字篆書体の資料は他にもあるらしいが、私自身は初めて見た。近々この印章の文面の解説が発表される由。楽しみだ。
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まいにちロシア語

NHKラジオ第2放送で新装開店した語学講座をいくつか聴いてみた。新たな講座のコンセプトに最もマッチしているのが「まいにちロシア語」と「まいにちフランス語」だ。ロシア語はエッセイストとしても人気の黒田龍之助氏の担当。以前テレビでロシア語を担当した時にはパッとしなかったが(失礼!)、今回のラジオ講座は非常によい。やわらかな口調が耳に心地よく…
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まいにち○○語

4月からのNHKラジオ語学講座が大幅に編成変更をする。これまでどの言語も入門編(月~木)と応用編(金土)で構成されていたのが、原則として月曜から金曜までの「まいにち○○語」という講座になる。中国語やハングル講座は入門レベルのみだが、ドイツ語は入門レベルを3日間、初級レベルを2日間という構成。その他、言語によって構成が異なる。 この…
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アジア語楽紀行 ヒンディー語

NHK教育テレビの「アジア語楽紀行」(火水木23時55分~)で、今日から「旅するヒンディー語」が始まった。「ネパール語」に続いてデーヴァ・ナーガリー文字のお目見えだ。HPはこちら。アジア語楽紀行のシリーズもやっとインドに来た。この先、アラビア文字圏にも行って欲しい。
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『華夷訳語論文集』(=『語学教育フォーラム』第13号)

福盛貴弘・遠藤光暁編『華夷訳語論文集』(『語学教育フォーラム』第13号、大東文化大学語学教育研究所、2007年10月31日発行)。東ユーラシア言語研究会の研究活動の一環として、本誌は『東ユーラシア言語研究』第2集をも兼ねている。20本近い「華夷訳語」関連の論考に加えて、詳細な「華夷訳語関係文献目録」を収める。
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『中古音のはなし-概説と論考』

中村雅之著『中古音のはなし-概説と論考』(古代文字資料館、2007年10月31日発行)。漢語音韻史の要である中古音についての概説と論考である。第一部の概説篇は著者が長い間富山大学で使用していたテキスト「音韻学入門-中古音篇」の新版、第二部は専門的な論考からなる。収録論文は「中古音重紐の音韻論的解釈をめぐって」「古代反切の口唱法」「同字省…
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『漢字伝来』

大島正二著『漢字伝来』(岩波新書、2006年8月18日発行)。漢字の概説書。タイトルにあるように日本への漢字の伝来を主たるテーマとしてはいるが、それに止まらず、漢字をめぐる広範囲な情報が詰め込まれている。著者は音韻学の専家として知られるが、本書では音韻の話は最後に付録(?)として添えられるのみである。朝鮮半島を通じての漢字文化受容から、…
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『時雨みち』

藤沢周平著『時雨みち』(新潮文庫、2007年2月5日51刷)。この短編集の中の一編「山桜」はまさに珠玉の短編というにふさわしい作品である。この半年ほどの間に何度も読み返したが、これぞ藤沢周平というべき作品だ。正直に言えば、この短編集に収められた他の作品はあまりパッとしない。しかし「山桜」というこの一編のためだけにでも、この書を手に取る価…
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『清代満洲語文法書三種』

竹越孝編訳『清代満洲語文法書三種』(古代文字資料館『KOTONOHA』単刊No.1、2007年8月31日発行、非売品)。『清書指南・翻清虚字講約』(1682年)、『満漢類書・字尾類』(1700年)、『満漢字清文啓蒙・清文助語虚字』(1730年)の三種について、全文を翻字し、かつ満洲語部分の日本語訳を付した資料。清代の中国人が満洲語の複雑…
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『玄冶店の女』

宇江佐真理著『玄冶店の女』(幻冬舎文庫、2007年8月10日発行、571円)。時代小説の中でも市井物と呼ばれる部類の連作集である。玄冶店(げんやだな)という路地に小間物屋を構えるもと花魁のお玉を中心に、芸妓屋の娘や芸者やお妾さん達の心情が描かれる。読んで心地よい小説である。 玄冶店の女 (幻冬舎文庫 う 4-2)
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『ポケットいっぱいの外国語』

黒田龍之助著『ポケットいっぱいの外国語』(講談社、2007年7月5日発行、1300円)。Amazonからギフト券が送られてきたので、本書を購入。『羊皮紙に眠る文字たち』や『外国語の水曜日』の著者によるエッセーということで期待したが、やや拍子抜けした。分量があまりにも少なく、スカスカの体裁なのだ。中には面白い文章もあるものの、コスト・パフ…
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